白山史学会会員のみなさま
若葉の候、会員の皆さまにおかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
『会報』第132号(メルマガ11号)を送らせていただきます。
なにかお気づきの点がございましたら、学会事務局(hakusanshigakukai@gmail.com)まで、いつでもご連絡ください。
1. 2026年度卒論発表会について
『会報』第132号(メルマガ11号)でお知らせした通り、今年度の卒論発表会は5月9日(土)午後1時30分〜午後4時15分に開催されます。開催形態は対面とオンライン配信をともに行うハイフレックス方式です。
対面の会場が決まりましたのでご連絡いたします。直近のご連絡となり申し訳ございません。
対面、オンラインとも事前登録なしでどなたでもご参加いただけますので、みなさまのご参加をお待ち申し上げております。
・対面開催の会場:6211教室(白山キャンパス6号館2階)
・オンライン配信のミーティング・リンク:https://x.gd/pt6ON
*白山史学会のオンライン配信にはZoomを使用いたします。
*オンラインで参加される方が当日配布資料をダウンロードするためのクラウドストレージ・アドレスは発表会当日お知らせします。
今年度の報告は以下のとおりです。
◯ 難波 虎之助 「戦国期『同盟』に関する考察」
戦国期の軍事同盟のなかで最も軍事的に強固であったものとして、攻守軍事同盟があげられ、その代表的事例とされるのが今川家・武田家・北条家の間で結ばれた駿甲相三国同盟である。 そのなかでも、武田家と北条家の間で結ばれた第一次甲相同盟は、両家の政治・軍事行動に大きな影響を与えた同盟として知られている。
しかし、その同盟の成立時期については研究者間で見解が分かれており、同盟の成立時期を明確にしておくことは第一次甲相同盟のみならず、戦国期の軍事同盟を検討するうえでも不可欠である。
また、その同盟期間中の具体的な関係について検討した研究は黒田基樹氏の著作に限られ、個別事例の検討は十分とはいえない状況にある。
そこで本報告では、第一次甲相同盟の成立から崩壊に至る過程を再検討し、武田家と北条家の政治的関係を明らかにすることで、戦国大名の同盟期間中の関係を考察するうえでの一助とする。
◯ 小嶋 環 「清朝初期における皇室婚姻政策と多民族国家体制の形成」
本報告は、清朝初期における皇室婚姻政策が、多民族国家体制の形成において果たした政治的機能を通時的に検討するものである。清朝は満洲・蒙古・漢人など多様な民族から成る国家であり、その統合において婚姻は重要な政治手段であった。太祖ヌルハチ期には満洲内部の諸勢力との通婚を通じた統合が進められ、八旗体制の基盤形成に寄与した。
ついで太宗ホンタイジ期には、蒙古諸部との婚姻関係が強化され、対外的な同盟形成と勢力再編が推進された。
また、公主降嫁や額駙制度を通じて外部勢力を皇帝権のもとに組み込む仕組みが整えられた。
さらに入関後の順治・康熙期には、蒙古との関係を維持しつつも漢軍八旗や漢人勢力との結合が進み、婚姻政策の役割は変容していく。
以上を踏まえ、皇子婚と公主降嫁という二つの婚姻形態が、内部統合と外部連合という異なる機能を担いながら、多民族国家形成の重要な装置として機能したことを明らかにする。
◯ 関口 要 「ビザンツ帝国における軍政と行政の関係
:ゲニコス・コンメルキアリオス印章を中心に」
本研究では、6~9世紀のビザンツ帝国において、軍事政策と行政制度の変化がどう関係していたいのかについて、特に7世紀を中心に検討する。
当時のビザンツ帝国は、周辺勢力の侵攻により、領土が縮小した。そして、7世紀以降、軍政・行政の両側面において大きな変化が起きた。例えば、軍民両権を掌握する長官が地方を当地するテマ制が挙げられる。
近年の研究では、テマ制は8世紀以降、成立していったという見方が有力である。しかし、日本のテマ制の研究では、この制度の成立は、政府による周辺勢力に対応するための改革ではなく、軍団による行政権の獲得によるものであると考えられている。また、8世紀初頭のテマ軍団の反乱が、テマ制の成立要因があったとする説もある。しかし、同時代の文献史料がほとんど現存しておらず、後世の史料に頼るほかない。
本発表では、文献史料だけでなく、軍に対する装備などの供給を担当していたと考えられているゲニコス・コンメルキアリオスの印章資料や都市遺跡などの考古資料等を用いることで、ビザンツ帝国における統治機構の変化について検討した。そこでは、7世紀中頃以降に、政府による防衛力強化を目的とした諸改革の中で、副次的に属州・都市規模の防衛意識が構築され、最終的に8世紀初頭のテマ制成立の要因へと繋がるという連続した動向を確認した。
2.第62回大会・第54回総会および白山史学会創立80年記念事業について
白山史学会第62回大会および第54回総会は、6月27日(土) 午前と午後の2部制にて開催いたします。
また、今年度は、白山史学会が創立80年という節目を迎えるにあたり、白山史学会創立80年記念事
業として、大会後に開催予定の懇親会でのOB・OGによるスピーチ「わが青春の白山史学会」をはじめ、様々な企画を起案中です。
対面およびオンライン配信にての開催となり、会場にお越しになることが難しい方も、オンライン配信をご活用いただければと思います。
報告タイトルや要旨、会場の詳細などは、4月下旬に発行予定の会報第132号[メルマガ11号]にて改めてご案内させていただきます。
◯開催日時:2026年6月27日(土) 午前の部 総会 10:00
午後の部 研究報告・講演 12:30
懇親会(6号館地下学食) 18:30
◯研究報告
水谷 祐文 氏 [東洋大学大学院博士後期課程]
林 萌里 氏 [東洋大学大学院博士後期課程]
飛鳥馬 一峰先生 [東洋大学非常勤講師]
◯講演
朴澤 直秀 先生 [東洋大学教授]
長谷川 祐平 先生 [東洋大学助教]
奥村 哲 先生 [首都大学東京(東京都立大学)名誉教授]
3. 田中文庫選書委員会からのお知らせ
選書委員会では、史学史・歴史学理論に関する書籍を「田中文庫」として日々収集しています。収集にあたっては、会員の皆さまからの御意見や希望を受け付けております。
専攻を問わず、史学史・歴史学理論などに関する書籍についてお心当たりがございましたら
下記の住所または白山史学会事務局メールアドレス(hakusanshigakukai@gmail.com)までお知らせ下さいますようお願いいたします。
蔵書リストなどの詳細は白山史学会ホームページ「田中文庫」をご覧ください
(http://hakusan-shigaku.org/library.html)。
住所:東京都文京区白山5-28-20
東洋大学文学部史学科共同研究室内白山史学会選書委員会
4.編集後記
会報132号をお送りします。今号では、卒論発表会の開催場所の公表をさせていただきました。場所の兼ね合いなどからご連絡が直前となってしまい申し訳ございません。オンラインからでも参加可能ですので、奮ってご参加くださいませ。また、白山史学会創立80周年事業につきましても、会員の皆さまに少しでも楽しんでいただけるよう尽力して参りますのでよろしくお願いいたします。
(企画局 小森)